子どもたちに『はやぶさ』の祈りを見せる
あれは、何年前だっただろう?
たしか14,5年前のことだ。
夜の街を風に吹かれて歩きながら、T君が言った。
「太陽電池で飛ばすんだ」。
へえ。
太陽電池? 珍しいね。
「今までのように大量の燃料がいらないんだ」。
へえ。
軽くなるんだ。
でもそんなわけにもいかないんじゃないの? どうやってそれで飛ぶの?
「地球の引力を借りて遠くへ飛ばすんだ」。
へえ。
「そしてエンジンが......」
T君の顔は、真っ暗な夜空を見ている。
肩越しにのぞく顔は、よく見えないけれど、なんだかとても嬉しそうだね。
まるで夢物語のような話をひとりで続けるT君の話を、夜風の中、早足で歩きながら聞き流し。
もうおぼろげであいまいな記憶。
T君のいた会社は、とある電機メーカー。
ふと気づけば、はやぶさ君を作って飛ばした会社だった。
14年前、聞き流していた話。あれは、はやぶさ君のこと。
本当に飛んだんだね。
本当に帰ってきたんだね。
アトム&ウラン 「『おつかいできた』って言ってるよぉ」。
子どもたちに、はやぶさ君の奇跡的な軌跡の動画を見せてみる。



