2010年3月27日

ベビースリング危険疑惑

ベビースリング危険疑惑のニュースを集めてみよう。

【3月25日 AFP】米ベビー用品大手インファンティーノ(Infantino)は24日までに、同社のベビースリング(抱っこひも)で赤ちゃんが窒息する危険があるとの警告を受け、2モデル計100万個以上を自主回収すると発表した。

 対象となるのは、「Infantino SlingRider」と「Wendy Bellissimo」で、米国で100万個、カナダで1万5000個を回収する。

 これに先立って米消費者製品安全委員会(Consumer Product Safety Commission、CPSC)は今月12日、ベビースリングについて、まだ首が据わっていない4か月未満の赤ちゃんに使用した場合、布が赤ちゃんの鼻や口をふさいでしまい、赤ちゃんが窒息する危険があると警告していた。

 CPSCはまた、ベビースリングは赤ちゃんを前かがみの体勢で固定してしまうため、気道が狭まり、窒息する危険があるとも警告している。(c)AFP
米ベビースリングに赤ちゃん窒息の危険、100万個自主回収 写真2枚 国際ニュース : AFPBB News

 赤ちゃんが窒息する恐れがあるとして、米ベビー用品大手インファンティーノが抱っこひも(ベビースリング)の自主回収を発表したことを受け、同社製品を輸入・販売するルミカ(東京)が対象製品の自主回収を始めた。国民生活センターも26日、注意を呼びかけた。問い合わせはルミカ(電話0120・00・3930)。 抱っこひも:米製品で窒息の恐れで注意喚起 自主回収も - 毎日jp(毎日新聞)

 消費者庁は26日、米国インファンティーノ社の抱っこひも「スリングライダー」で乳児が窒息死する恐れがあるとして、輸入元のルミカがリコール(代金返還)を始めたと発表した。米国で昨年、この商品などインファンティーノ社の2種類の抱っこひもで乳児3人が死亡したことから、同社が米国とカナダで計100万個余りのリコールを始めたことを受けた措置という。

 ルミカによると、同社だけで2007年10月から主に通信販売で約3700個を販売したが、国内の事故の報告は今までにないという。問い合わせは、同社(03・5569・6080)へ。
asahi.com(朝日新聞社):米国製抱っこひも自主回収 米国で死亡事故3件 - 社会

 米国やカナダでベビースリング(抱っこ布)による乳児の窒息死事故が相次ぎ、両国が注意喚起などに今月乗り出した問題を受け、国民生活センターは27日までに、国内でも過去10年間に転落による乳児の頭蓋(ずがい)内損傷など64件の事故報告があったとして注意を呼びかけた。死亡事故は米国、カナダで過去 20年に計16件あったが、国内では確認されなかった。

 同センターのまとめでは、1999年4月から今年3月15日時点までの間、国内の64件の事故によるけが人は0歳児を中心に55人となった。

 スリングなどを利用中に滑り落ちて頭蓋内損傷の重傷を負った0歳の男児1人のほか、0歳の女児が頭の骨を折るなど2人が骨折。最多は軽傷の打撲や擦り傷の40件で、脱臼1件などのほか、子守帯でおんぶ中に0歳児が顔を密着させ窒息しそうになったケースも1件あった。

 米国では、消費者製品安全委員会が生後4カ月未満の乳児について、スリングの布が鼻や口をふさいでしまう危険性と、利用中に乳児があごを胸につけるように丸まって気道を狭めてしまう危険性を指摘。カナダでは保健省が、保護者が転んだはずみの転落や、製品の脇や足の開いた部分から滑り落ちることなどに注意を呼びかけている。

 国民生活センターは「赤ちゃんの顔が見えるようにして、気道をふさぐ状態にならないよう注意を。首が据わるまでは背当てや頭当てがあるものを選び、使う際は落下防止の調節具を正しく調節するように」としている。
抱っこ布、危険抱える 転落など国内で64件、輸入元が自主回収 :日本経済新聞

3月26日 Infantino(インファンティーノ)社製ベビー用抱っこひもの自主回収について[PDF:56KB] 報道発表資料(2010年) - 消費者庁

株式会社ルミカ・化学発光体の製造販売|夜釣り用ウキ・コンサートライト・LED製品・ノベルティーグッズ 自主回収のお詫びとお知らせ Infantino(インファンティーノ)社製SlingRider(スリングライダー)

ふむ。

で、問題の米国インファンティーノ社の抱っこひも「スリングライダー」って?

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これ?

これって......

ベビースリング??

いや。ちょっと違う。

ベビースリングっていうのは、シアーズ博士の育児書で勧められていたりしたもので、ラ・レーチェ・リーグでも勧めていたものだ。赤ちゃんを身につけるように、赤ちゃんとママの体が接することで赤ちゃんの発育に良い影響を与えると言われているものだ。

インファンティーノ社のスリングライダーは、その形から見て、この趣旨とは違うものだ。
どちらかと言えば、抱っこ紐の一種で、流行っていたから「スリング」の名を抱っこ紐につけたのではないかと思われる、ベビースリングとは似て非なるものだ。

それが、ベビースリングを失墜させるのか......。

ベビースリングっていうのは、そもそも泥臭いものだ。
エスニックであり、フォークロアなものだ。

こんな。

こんなものじゃない。

1枚の布で、わが子を包む。
それは母の持つ知恵の力だ。
たった1枚の布を、工夫して使うことで、わが子を抱く。
その技術を習得することは、母の誇りだ。
子どもを育てる知恵の、始まりだ。

でも、その技術も知恵も持たずして、ただ流行だからとベビースリングの名をつけただけで売り出されるモノを手にした母がいたということ。
そして事故が起きたということ。
それを、愚かと言ってもいいのだろうか?

誰にでも簡単に使えるモノが良しとされもするのだろう。
何の知識も技術も持たず、使えるモノが望まれるのだろう。

でも、問題のこれ、ベビースリングじゃない。抱っこ紐の一種ではあるけれど、ベビースリングを模したものでしかない。
きっとベビースリングを使ったことがない、国民生活センターの人、消費者庁消費者安全課の人、間違っていることに気づいて。




2010年3月26日

ベビースリングは、危険?

出るものが出たのかなという気がしますが、これを短絡的に捉えないでほしいと思います。

 国民生活センターの危害情報システムには、抱っこベルト、抱っこひも等(以下「子守帯」という)使用時の赤ちゃんの危害・危険情報が寄せられており、過去10年間で64件に達している。子守帯での事故にはいくつかのパターンがあるが、2010年3月12日に CPSC(米国消費者製品安全委員会)が、4カ月未満の赤ちゃんにスリングを使う場合の窒息の危険性について警告情報を発信した。また同日、Health Canada(カナダ保健省)もスリング等を使用する際の転落や窒息事故に関し、注意喚起した。一方、スリングを使用した赤ちゃんの横抱きにより、股関節脱臼を起こす可能性があると指摘する医師の報告もある。

 そこで、上述のレポートの紹介などと併せ、消費者に子守帯の使用にあたっての注意を喚起する。
スリングや抱っこひもなど赤ちゃん用子守帯に注意−窒息、転落、股関節脱臼の危険性も−(報道発表資料)_国民生活センター

ベビースリングは、正しい使い方を知らずに使うと、危険な部分はある。
たとえば、着物を着るとき、着付けを知らなければ着ることができないように、身につけ方や赤ちゃんの月齢に応じた抱き方を知らなければ、うまく使うことはできない。

そこで、正しい使い方を学ぼうとする人もいる。
でも、正しい使い方を学ばずに、単にブームのアイテムとして使う人もいる。

街で見かける人の多くが、残念ながらスリングの間違った使い方をしている。
スリングは、使い方を間違えれば、危険になるものでもある。
でも、正しい使い方であれば、非常によいもの。

ただ、スリングは、いわゆる規格とか基準とかいうものがない。製品ではないから。
ママの手作りの範疇であったり、伝承の道具であったりするもの。
規格が無いので、正しい使い方の規定もない。
それぞれのショップが、自主的に教えているだけ。
愛好家の講習会が行われているだけ。
急激に広まった結果、それらの教えを受けることなく多くの人が使用しているのが現実です。

CPSCの警告

 過去20年間にスリングの使用による乳児死亡が14件報告されている。このうち4カ月未満の赤ちゃんが12件で 2009年だけで3件報告されている。スリングには窒息事故をもたらすおそれがあり、未熟児、双子、虚弱体質や低体重の乳児には特に注意が必要である。強制的な規格が必要な幼児用耐久財のリストに、スリングを追加した。
Health Canadaの注意喚起

 カナダでは、1995年以降ベビースリング使用時に9件の事故が発生しており、このうち2件は死亡事故のため、両親などに対して、ベビースリングなどを使用する際は次の点などについて注意するよう呼びかけている。

* 保護者がつまずいて転んだときなどに赤ちゃんが転落する危険性
* 不適切な姿勢のとき赤ちゃんが窒息する危険性
スリングや抱っこひもなど赤ちゃん用子守帯に注意−窒息、転落、股関節脱臼の危険性も−(報道発表資料)_国民生活センター

転んだとき、赤ちゃんが放り出される危険性というのは、実はスリングだけではなくおんぶ紐にもあるわけで、抱っこ紐にもあるわけで、素手での抱っこにもあるわけで、言ってしまえば、どうしたってあるわけで。

これを軽減するためには、赤ちゃんの足の付け根や肩をホールドできる抱っこ紐である必要があるわけで。でも、そういうものはほとんど無いわけで。ベビービョルンはホールドしやすいと評価が高いですが、縦に抱くことに異論を唱える人もいます。でも、ベビービョルンでも、抱っこしている人が転べば、やっぱり赤ちゃんは頭を打ったりする可能性はあるわけで、転んでも大丈夫という抱っこ紐やおんぶ紐は存在しないと言っていいぐらい。

そういうわけで、スリングに今頃打撃を与えているものは何なのかなと勘ぐりたくなるような報道でもありますが。

スリングと股関節脱臼の関係は、ずいぶん前から言われていますが、これもまた確実な話ではないわけで。

そもそも、股関節脱臼は原因が不明のもので、たとえば先天的に股関節脱臼がある赤ちゃんの場合は早めに治療を受けたほうがいいわけなんですけど、産まれてすぐにはわからないわけなんです。そういった股関節脱臼発覚前の赤ちゃんを、股関節を閉じるような格好でベビースリングに入れてしまうと悪化する可能性があるというわけなんです。

で、コアラ抱きとか言うんですけども、低月齢の頃から足をM字に開いて抱くことがベビースリングの使い方では推奨されてたりするわけなんですね。でも、そもそも股関節脱臼のある赤ちゃんをスリングで横抱きしたことによってより悪化させたのかもしれないわけで、スリングが股関節脱臼の原因だとは、たぶん誰も実証していないことだろうと。

要は、使い方なわけで。
でもその使い方が浸透しているとは言えないと。

でもきっと、大半の人は、道具を与えられることに慣れていて、使い方を考えることに慣れていない。その道具に赤ちゃんを入れさえすればいいと思ってる。自ら着物を着て帯を締めたことが無い人が着付けができないのと同じように。

だけど、それにしても、ちょっとよくこの報道を見てほしい。
未熟児、双子、虚弱体質や低体重の乳児には特に注意が必要である。
と、ある。
つまり、問題なく産まれた赤ちゃんには、そのリスクは必要以上に重んじられるものではないということ。
未熟児の赤ちゃんをスリングに入れて窒息したことがあったからといって、時満ちて産まれた赤ちゃんにも危険だと言えるものではないということ。

でもね、ベビースリングの間違った使い方をしている人を見ると、やっぱり、何らかの基準を設けたり、万一の際に消費者が保証されたりする制度が必要なのかもしれないと、それは結構前から思ったりしていたりもするわけで。